|
脳のしくみ 脳は人間の臓器の中でも最も大切な物であることはいうまでもないでしょう。 繊細さや複雑さなどを加味すればある意味心臓よりも重要で大切な期間であるといえます。 脳の働きは単に物事を記憶したり考えたりするだけでなく、生命活動全域に際して決定的な働きを担っています。 感嘆に言えば脳の基本の働きとは、外部からの情報を身体の各入力器官(目や皮膚など)から受け取りその膨大な情報を瞬時に処理し適切な動きをするように身体各部に指令をだすこと。 また、人間が意識して動かせないような生命活動に欠かせない動きに関して指令を出したりするのも脳の仕事です。
人間の脳で最も人間らしい活動を担っている部分と言えば【大脳新皮質】でしょう。 脳のイラストや写真を見たときにシワシワで2つに分かれている一番脳っぽい(?)部分です。 この大脳新皮質はほ乳類にしかなく、この部位に知的活動の元となる脳神経細胞が存在しています。 この大脳新皮質は、それぞれ各部位で身体のどの部分の信号伝達を受け持つかが決められています。 下の図はh【ホムンクルス図】と言われている図で、脳のどの部分が身体のどの部分を受け持っているかが視覚的にわかりやすいように描かれています。
この図を見て分かるように、脳の各部位が受け持つ身体部分は場所によってその重要度が違ってきます。(図の中で大きい身体部位が脳の中でも大きい位置を持っている。) 最も大きく描かれているのは手や口の部分で、これは手や口が最も複雑な動きが必要な部位だからに他なりません。 よく手を動かすことが痴呆予防や脳の活性化によいと言われていますが、それは手を動かすことにより、より脳の多くの部分を活性化させることが出来るからです。
脳神経細胞 大脳新皮質には神経細胞が点在しており、その数は140億と言われています。 神経細胞はまさに脳の信号伝達の中心器官でニューロンと言われています。 下図はその簡略図です。
ヒトデのようなニューロンから【軸索】※1といわれる突起が延びており、その先端にはシナプスと呼ばれる器官がついています。 ニューロン〜軸索はシナプスを通じて筋肉や他のニューロンとつながっており※2そのシナプスとニューロンの間に置いて神経伝達物質が行き来し情報の伝達が行われます。 人間の脳もコンピュータと同じように基本的には0か1かの活動電位(スパイク)という電気信号によって情報の処理が行われていますが、シナプスから表出された神経伝達物質がニューロンに到達した後、伝達物質の種類や量によってレセプターと呼ばれる器官によりスパイクに変換されます。 電気に変換された情報はがまた違う軸索へと送られ、シナプスから神経伝達物質に再び変換してまた他のニューロンへ伝達されます。
このように、複雑な課程をを経て情報は脳内や全身に送られていくのです。 サプリメントなどの成分には=神経伝達物質の量を増やしたりする物がありますが、情報の重要度はこのスパイク=神経伝達物質の量や種類により決定されるため神経伝達物質が増えると記憶力の向上などに効果があると言われています。大切な情報などがあると脳が興奮することになります。この興奮こそ神経伝達物質が多く出されているによって引き起こされます。 先ほど脳のしくみはコンピューターに似ていると書きましたが、実際には脳には興奮を促す神経伝達物質と興奮を押さえる神経伝達物質があるため、0と1と-1の情報で活動していることになります。それこそが、未だコンピュータにも不可能な複雑な脳機能の根幹となっている謂われです。 この神経細胞は物事を記憶したりする毎に軸索などを伸ばし他のニューロンとの接続を深くしていき神経細胞のネットワークを複雑にしていきます。 この人間で約140億もあると言われている神経細胞のネットワークの複雑さこそが知能の源であると言えるでしょう。
※1軸索には数cm〜1m程度までの長さがあります。 ※2実際にはつながっておらず、1/5000mm程の隙間が存します。
|
|
養老孟司著【バカの壁】
脳の仕組みだけではなく、心の有り様さえも分かりやすく解説。解剖学的見地からだけでなく、哲学にも造形の深い著者の考察ははっとさせられることばかり。読まないのは損と言い切れるくらい、脳や哲学に興味のない方にも是非オススメの一冊です。
養老孟司著【死の壁】
前作同様解剖学的見地に加え、哲学的な考えをベースに死について語る名著。考えが深いだけでなく、それを分かりやすくかつ大胆に論じきる著者は現代日本に数少ない哲人の一人だと思わされます。善作同様オススメです。
|