咀嚼と脳と食事 脳のホムンクルス図を見ると、手指の占める割合も顕著ですが、顔、特に口の占める割合が大きいのに気づくでしょう。 指先なども繊細な器官ではありますが、口はある意味手指以上に繊細で、重要な器官といえます。 具体的には噛むことにより直接脳に刺激が与えられる効果があります。 あごの筋肉がこめかみなど頭部の筋肉に直結していることは噛んでいるとこめかみの筋肉が動くのが見て取れることからわかりますが、このような筋肉の動きが脳に心地よい刺激になって伝わり脳の活性化に一役買います。 また、噛むことにより、脳内に様々な神経物質が分泌されることにより脳の意識レベルや記憶力が上がることが報告されています。 たとえば、噛むことによって分泌されやすくなるヒスタミンなどは意識レベルを上げ、すっきりさせる効果があります。 花粉症などで抗ヒスタミン剤などを取るとこの逆の効果で眠たくなったりします。
良く噛むことによってアルツハイマーの症状が改善されたりする現象も患者の観察や動物実験レベルの研究で明らかになっています。 もともと、ホムンクルス図などで口は脳内において重要な位置をしめる器官ですので噛むだけでなく口を動かすだけでも、脳の体操ていどにはなるようです。 現在では音読などは脳のトレーニングとして市民権を得ていますが、人の多くいる場所などでの音読はさすがに憚られるでしょう。そんな時は、声に出さないまでも口を動かすだけでも効果が見込めます。
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